ベイトでいこう！

---

■スプーンと言えば・・・

---

ふと思い出した
当時の出来事・・・

そう言えばあれが僕の
人生初のルアーフィッシング・・・

気の遠くなるような時を経て尚
色褪せない懐かしい思い出・・・




☆Bass blog☆

田舎を流れる一級河川から
枝分かれした1本の支流・・・

その支流とその脇にあった小さな池が
普段の僕の行きつけの場所。

本流にも行くんだけれど、そこは少しだけ遠く
また冒険的要素もあって、学校帰りに行くのは
もっぱらこの近所の支流だった。

振出式の竿1本に予め用意した
浮き釣りの仕掛け・・・

もちろんエサはサシ虫。

浮き下を調整しつつ流れに乗せて流せば
飽きる程ハヤやオイカワが遊んでくれた。

飽きてくると今度はその脇にあった池に
場所を移しフナやクチボソ釣りを楽しむ。

これが当時の僕の日課だった。

そして少し大きくなると今度は
リールの付いた竿を手に入れる。

この竿とリールは主に当時「爆弾釣り」と呼んでいた
赤土と練り餌を混ぜた物をエサにした投げ釣りで使
っていて、フナや鯉、それにギギタやニゴイなんかを
良く釣った。



幼少の頃から大の釣り好きだった僕の愛読書は
もちろん「釣りキチ三平」や、子供向けの釣り雑誌。

＊お師匠さんについてはコチラ・・・

当時、エサ釣り以外知らなかった僕がその中で
見つけたルアーフィシングと言う未知の釣り。

ルアーを使うと外国に住むブラックバスと言う魚が
釣れるらしい。

ちなみに僕の地元ではバスより先にブルーギルと言う魚
が釣れるらしい、と言う噂が流れ子供心にワクワクした
のを思い出す・・・

そんな釣りにもちろん興味津々なのは当然であり
特にスプーンと言うルアーになぜだか強く惹かれた。

これはやはり釣りキチ三平の影響が
大きいのには間違いないだろう。

そしてある日、とうとう僕はこのスプーンと
言うルアーを手に入れる。

今となってはどんなスプーンだったのかは思い出せないけれど
恐らくは赤と白の塗装に３本針が付いていたように思う。

本によると雨の降った次の日にスプーンを
投げるとナマズが釣れるらしい。

ナマズと言う魚には慣れ親しんでいたのだけど
こんな物で本当に釣れるのかはもちろん半信半疑・・・

それ以上に一つしかなかったそのスプーンを失くす
のが怖く中々投げる勇気が湧かなかった。

けれど、ある日とうとう
僕はそれを投げる決心をした。

場所はいつもの支流。

その支流に架かる土手の
トンネルの中が狙いだ。

いつもは爆弾釣りに使っているリール付きの竿先に
スプーンを結びドキドキしながら真っ暗なトンネルの中
目掛け思い切って投げ込んだ。

そして本に書いてあった通りにゆっくりと巻く。

もう３０年以上も前の事であり、もちろん
はっきりと覚えている訳ではない。

しかし川上から川下へ向かって投げた為
恐らくは結構な引き抵抗があったに違いない。

半信半疑で巻いていると
突然そいつはやってきた。

その後のやりとりの事は
全く覚えていないけれど

「うわっ、なんか釣れた！」

と言う言葉が口をついて出たのを
よく覚えている。

上がってきたのは馴染みのある
あのナマズであった。


「ほんまに釣れるんや・・・」


実はその後スプーンでのナマズ釣りを
一度もやった記憶が無い。

恐らくはいつもの浮き釣りのほうが
当時の自分には楽しかったのだろう。

それにナマズと言う魚自体
外道扱いだったし・・・



あれから３０数年・・・

ここ何年かは夏が近づくと
琵琶湖でスプーンの釣りをする。

狙いは当時外道扱いだったナマズだ。

この釣りをしているとどこか懐かしさを覚えるのは
当時のそんな思い出のせいなのだろうか・・・

厳しい冬の寒さの後にやってくる今日のような
小春日和の暖かさががまたあの日の事を思い
出させてくれた。

見てくれは大人になったけれど
中身はあの頃のまんま・・・

きっとこの先も、これは変わる
事はないのだろう・・・

そう感じさせる小春日和の
午後なのでした・・・




☆Bass blog☆